
外科の田代善彦医師は3月13日から18日まで、JFSA(日本サイバーリサイクル連帯協議会)のスタディツアーに参加しました。これは四街道徳洲会病院が進める、パキスタンのスラム地域における健康調査プロジェクトの準備の一環で、約20名の参加者を前にその報告が行われました。
![]() カラチのスラムにある学校 |
JFSAは、衣料品や毛布などを回収しリサイクルすることでパキスタンの学校運営を支え、子どもたちの自立につなげることを目的として活動している国際協力NGOです。JFSAが支援している学校、アルカイールアカデミーは、子どもたちへの教育支援を通して長期的に住民の生活を改善しようと、1987年、10名の生徒から始まりました。
スタディツアーではパキスタン最大の都市カラチのスラムにあるアルカイールアカデミー本校と、ゴミ捨て場に建てられた分校を訪問し、その活動や意義、抱える問題などを学ぶというものです。
本校には2,000人ほどの生徒が通っています。授業は午前のみまたは午後のみという構成で、仕事をしながらでも通えるようになっています。満足に食事が摂れない子どものために昼食も配られており、現在は約25%の生徒が利用しているということです。
![]() 学校にある診療所 |
2004年より校内に午前中のみのクリニックを設置していて、1日40人から50人の利用があります。この背景には、子どもたちの突然死が相次ぎ、調査と診察によって健康状態を把握する必要があると考えられたためです。疾患としては、感染症や下痢、皮膚病などが多いということです。費用は学校が負担し、重症の患者は近くの病院へ搬送しています。
分校は広大なゴミ捨て場に隣接しています。煙を上げて燃やされるゴミの中から金属くずを拾ってそれを売ることで生計をたてている人たちがたくさん住んでいます。その子どもたちを対象に学校は運営されており、約600人の生徒がいます。本校同様に午前中のみの診療所を設置しており、近くに住む大人も含めて1日50から60名の利用があります。場所柄、疾患は切り傷や火傷といった外傷、破傷風などが多く、薬の不足が深刻だということです。また環境は劣悪で、田代医師は目がチカチカするくらい空気が悪かったと延べました。地下水もゴミなどによって汚染されているので井戸は利用できず、貯水層から水を購入しなくてはなりません。水は高価で収入の20から25%を占め、家計を圧迫しています。この地域はスラムよりも一層経済状況が厳しいようで、服装などからもその様子がわかったということですが、政府はここに居住を認めていないというのを理由に対策を行っていないそうです。
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田代医師はツアーを通し、やらなければならないことはたくさんあり、健康調査や予防医療を含めた教育が大切なのだと実感したということです。その上で、電気や上下水道といったインフラが整備されていない状況でどのように実践していくかはよく考えなくてはならないが、一方で医師として臨床にもたずさわりたいと感想を述べました。
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