- そけいヘルニアとは?
- ヘルニアをほっておくと?
- そけいヘルニアの治療法は?
- どんな手術をするのでしょうか?
- リヒテンシュタイン法(Lichtenstein法)とは?
- リヒテンシュタイン法のメリットは?
- リヒテンシュタイン法のデメリットは?
- クーゲル法(Kugel法)とは?
- クーゲル法のメリットは?
- クーゲル法のデメリットは?
- 日帰りで手術ができます
そけいヘルニアとは?
そけいヘルニア(鼡径ヘルニア、鼠径ヘルニアとも書きます)とは、いわゆる脱腸のことです。そけい部とは腹部と太ももの境目の部分をいいます。
男性の場合、精巣(睾丸)につながる血管・精管の束(精索)がそけい部の筋肉の隙間(そけい管)を通っておなかの中から外へ出ています。女性の場合、子宮を固定する靭帯がここを通っています。
この隙間に内臓を包んでいる膜(腹膜)が指サックのように飛び出してきたものをそけいヘルニアといいます。ここに腸や、大網(お腹の中の脂肪のかたまりの ようなもの)がとび出してきます。また、子供をたくさん生んだ女性の方に大腿ヘルニアというヘルニアが起こることがあります。

お鍋に水の入った風船が入った状態を想像してみてください。お鍋の底に穴が開いていると、底から風船の一部が飛び出してきますね。
硬いお鍋が筋肉、風船が腹膜、風船の中の水が内臓だと考えるとそけいヘルニアのイメージがわかりやすいかと思います。

そけいヘルニアには精索に沿って腹膜がとび出してくる「外そけいヘルニア」と、それよりも内下方におきる「内そけいヘルニア」の2種類があります。

ヘルニアをほっておくと?
そけいヘルニア(鼡径ヘルニア、鼠径ヘルニア)を放置すると、とび出した臓器が筋肉でしめつけられ引っ込まなくなってしまうことがあります。これを嵌頓(かんとん)といいます。嵌頓を起こす危険率は全体の約10%ほどといわれています。
腸が嵌頓を起こすと、腸の中を食べ物が流れていかなくなってしまい腸閉塞を起こします。また、しめつけられた腸に血液が流れなくなり、腸の組織が死んでしまう(壊死)と敗血症を起こすために命にかかわることがあります。
この嵌頓は、いつ起こるのかだれにも予想はできません。嵌頓が起きた場合には緊急手術が必要になります。腸の壊死があった場合には腸を切除しなくてはならないこともあり、場合によっては人工肛門を作らなくてはいけないことさえあります。
そけいヘルニアの治療法は?
そけいヘルニアの治療法は手術しかありません。薬物治療、ヘルニアバンド、筋力トレーニングでは直りません。そして、嵌頓を起こす前に治療することが体にとっても経済的にも一番負担がかからず、そして安全です。
どんな手術をするのでしょうか?
昔は筋肉の隙間を引き寄せて縫い合わせる手術を行なっていました。しかしこの方法では術後の痛みがあり、また再発率も10%と高かったため長期の安静が必要でしたが、それでも再発を起こす方も多かったようです。
現在は、合成線維(ポリプロピレン)で作ったメッシュ(網)で筋肉の隙間をふさぎ、補強する手術が行なわれています。この方法は痛みが少なく、そして再発率もきわめて低いのが特徴です。
いろいろな手術法がありますが、当院ではリヒテンシュタイン法(Lichtenstein法)とクーゲル法(Kugel法)で手術を行なっています。
小児のヘルニアは、成長に伴って筋肉が発達してくるので、ヘルニア嚢(ヘルニアの袋)を根元でしばる(高位結紮)のみで十分です。
リヒテンシュタイン法(Lichtenstein法)とは?
筋肉の隙間の上にメッシュを縫いつけて補強する手術です。
先ほどのお鍋と風船の図で考えて見ましょう。穴の外側にメッシュを入れて穴をふさぐのがリヒテンシュタイン法です。

メッシュを用いたヘルニア手術の草分けともいえる方法ですが、まだまだ主流です。
リヒテンシュタイン法のメリットは?
巨大なヘルニアや嵌頓ヘルニアなどでも対処できます。また、メッシュを使えないような局面でも従来法に方針転換が可能で、いってみればオールラウンダーな手術法です。
手術操作も簡単で視野も良好のため、合併症が少ない手術法です。
リヒテンシュタイン法のデメリットは?
腹圧はメッシュをはがそうとする力になります。それを防ぐためにメッシュを周りの筋肉や靭帯にしっかりと縫い付ける必要があります。そのためかクーゲル法に比べると術後の疼痛が強い印象があります。
メッシュを入れるためにそけい管を切開しなくてはいけないので、そけい管内を通る神経の損傷が起きることがあります。神経の損傷があるとそけい部のしびれが生じます。
また、そけい管を切開するために、従来備わっているヘルニア防止機構も壊すことになります。
他にはメッシュを用いた手術全般に言えることですが、感染に弱いことと小児には使えないことです。
クーゲル法(Kugel法)とは?
腹膜と筋肉の間にメッシュを入れます。この方法だと、腹圧(お腹の中の圧力)がかかると、メッシュはより強く筋肉に押し当てられ密着します。
先ほどのお鍋と風船の図で考えて見ましょう。穴の内側にメッシュを入れて穴をふさぐのがクーゲル法です。
腹腔鏡下ヘルニア修復術も同じ場所にメッシュを入れますが、全身麻酔での手術になります。クーゲル法は腰椎麻酔(脊椎麻酔)で手術できるので、より体にかかる負担は少なくて済みます。


クーゲル法のメリットは?
- 痛みがより少なくてすみます
- ヘルニアの再発率が低い
- そけい管のシャッター機構を温存できる
- そけい管を通る神経の損傷も少ない
- 腹圧により、メッシュがより安定します
- そけいヘルニアだけでなく、大腿ヘルニアも防ぎます(1枚のメッシュで外そけいヘルニア・内そけいヘルニア・大腿ヘルニアの3つの領域を網羅します)
クーゲル法のデメリットは?
手術手技が独特のため、習得できる研修施設が限られます。そのため日本でもクーゲル手術の占める割合は6〜7%といわれています。
他にはメッシュを用いた手術全般に言えることですが、感染に弱いことと小児には使えないことです。
日帰りで手術ができます
そけいヘルニア(鼡径ヘルニア、鼠径ヘルニア)を放置すると、とび出した臓器が筋肉でしめつけられ引っ込まなくなってしまうことがあります。これを嵌頓(かんとん)といいます。嵌頓を起こす危険率は全体の約10%ほどといわれています。
腸が嵌頓を起こすと、腸の中を食べ物が流れていかなくなってしまい腸閉塞を起こします。また、しめつけられた腸に血液が流れなくなり、腸の組織が死んでしまう(壊死)と敗血症を起こすために命にかかわることがあります。
この嵌頓は、いつ起こるのかだれにも予想はできません。嵌頓が起きた場合には緊急手術が必要になります。腸の壊死があった場合には腸を切除しなくてはならないこともあり、場合によっては人工肛門を作らなくてはいけないことさえあります。









