脳は血流により運ばれたブドウ糖や酸素を大量に消費しています。また、脳には神経細胞の間で情報を交換するための神経伝達物質や神経受容体といわれるものがあります。脳の血流やエネルギー代謝は、神経細胞の活動が盛んな部位で高く、活動が衰えた部位では低くなります。PET検査では、ブドウ糖や酸素の代謝をみることによって、脳の局所の機能がわかります。また、神経受容体の状態などもみることができます。
人間ドックなどでがんを見つけるためのPET検査では放射線を出すブドウ糖(グルコース)を注射します。このブドウ糖を「フルオロ・デオキシ・グルコース」とよび、頭文字を取ってFDGと呼んでいます。放射性同位元素(放射線を出す物質)は、「フッ素」F-18を使っています。したがって現在のPET検査はよくFDG-PET検査と呼ばれています。
大変役立ちます。しかし、すべてのがんがPET検査のみで早期発見できるわけではありません。PET検査で見つかるがんもありますが、これまでの超音波検査、X線CT、MRIや内視鏡検査、血液腫瘍マーカーその他の検査法とPET検査を組み合わせることが大切です。
PET検査はがんの転移を見つけるのに大変役立ちます。がんは、転移のあるなしによって、治療法が変わりますので、非常に有用です。前立腺がんでは、原発巣が膀胱と重なり、よく分からないことがありますが、膀胱と離れた骨の転移は、膀胱と重ならないのでPET検査でよくわかります。
悪性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが高く、良性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが低いことが多いようです。腫瘍への18F-FDGの取り込みの程度で、腫瘍の性質を判断するのですが、全ての腫瘍で悪性か良性かがきちんと鑑別されるわけではありません。
糖の代謝を正しく判断するためには、検査当日の朝食から絶食をしていただく必要があります。水やお茶は飲んでも良いのですが、甘いものは避けてください。お菓子も、検査が終わるまでがまんしていただきます。くすりを注射してから撮影のあいだは、できるだけ安静にしてください。筋肉を使うとくすりが筋肉に集まってしまいますので、特にがんの診断の時には、診断が難しくなる場合もあります。また、検査の直前には、膀胱内のあるくすりの代謝物を排出するために、排尿をしていただきます。
がん検診の場合は血糖値影響しますので、来院時刻の4時間前から食事及び糖分の含まれる飲み物は控えていただきます(お水・白湯は問題ありません)。前日までは通常通りお食事をしていただいて結構です。
薬剤を静脈注射する際の痛みはありますが、あとは検査着を着用して機器の上に横になるだけですので、検査自体から痛みや不快感を感じることはありません。ベッドで30分程寝ているだけで検査は終了します。
標準的な検査では全体で3時間くらいです。検査の内容や個人差がありますので、あくまで目安です。このうちPET検査はベッド上に30分程度寝ていただきます。
さらに精密検査が必要かどうか、または治療の必要性があるかどうか検討されます。その後、適切な専門医療機関を決めることになります。